青木高見のジャズコレクション Barry Harris (p) バリー・ハリス


略歴
Barry Harris バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
世間からは「バド・パウエル派のバップ・ピアニスト」ばかり言われ、かわいそう。
従来のバップ・ピアノを更に発展させ、そのスピリットを伝え続けてきた功績がある。
決して感情的にならず、あくまでエレガントさを追求。
これこそ、まさに「バリー・ハリス派」としたい。
晩年は講師としてジャズ・ピアノの指導に力を入れた。
その様子は「ユーチューブ」で見る事ができる。
音が出た瞬間から濃厚なバップの空気に一変する。
2021年12月8日、惜しくもバリー・ハリスが亡くなった。
バップの星が、また一つ消えた。
(青木高見)



【INDEX (リーダーアルバム)】
Barry Harris / Breakin' It Up (MVCR-20061) Barry Harris / At The Jazz Workshop (VICJ-23530) Barry Harris / Preminado (OJCCD-486-2) Barry Harris / Chasin' The Bird (VICJ-23733) Barry Harris / Magnificent! (UCCD-9355)

【INDEX (共演アルバム)】
Dan Faulk Focusing In (Criss 1076 CD) Art Farmer 2 Ttrumpets Farmer Byrd Dave Pike / It's Time For Dave Pike


【以下コンテンツ】


Barry Harris / Breakin' It Up (MVCR-20061) Barry Harris / Breakin' It Up (MVCR-20061)

Recorded : July 31, 1958

Personnel :
Barry Harris (p)
William Austin (b)
Frank Gant (ds)

Song name :
01. All The Things You Are
02. Ornithology
03. Bluesy
04. Passport
05. Allen's Alley
06. Embraceable You
07. SRO
08. Stranger in Paradise

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
LPは1958年7月31日録音、発売元がアーゴ(Argo)LP-644番、8曲入り、ファースト・アルバム。
CDは発売元がMCAレコード・GRPレコード、ジョージ・ホワイト(George White)氏による英語ライナーノーツ、佐藤秀樹氏による日本語解説、8曲入り。
メンバーはピアノがバリー・ハリス、ベースがウィリアム・オースティン、ドラムがフランク・ギャント。
バリー・ハリスの初リーダー作だが、すでに完成されている。
生まれ育ったデトロイトから長い間、離れようとしなかったという、性格も、どちらかというと控えめ。
新しいジャズの潮流には目もくれず、ひたすらビ・バップをやり続ける。
当時の人気はアメリカよりもジャズに飢えていた日本、特にジャズ喫茶で異常な人気があった。
演奏はハード・パップでありながらエレガントさが加味される。
ジャカジャカやらない、エモーショナルで美しいピアノ、そこには高度な技術が成せる音。
今聴いても、まったく色褪(あ)せない。
音が鳴った瞬間、濃厚なで漆黒の空気に一変する。
以下、演目の作曲者を明記した。
01. All the Things You Are / Oscar Hammerstein II, Jerome Kern
02. Ornithology / Charlie Parker
03. Bluesy / Barry Harris
04. Passport / Charlie Parker
05. Allen's Alley / D Best
06. Embraceable You / George Gershwin, Ira Gershwin
07. SRO / Barry Harris
08. Stranger in Paradise / Robert Wright, George Forrest
特に、チャーリー・パーカーの信奉者なので、その作品が中心。
2021年12月8日、惜しくもバリー・ハリスが新型コロナウイルスによる合併症のため亡くなった。
享年91歳。
もう二度と演奏を聴く事が出来ない。
ビ・バップのレジェンドが一つ消えた。
(青木高見)





Barry Harris / At The Jazz Workshop (VICJ-23530) Barry Harris / At The Jazz Workshop (VICJ-23530)

Recorded : May 15-16, 1960

Personnel :
Barry Harris (p)
Sam Jones (b)
Louis Hayes (ds)

Song name :
01. Is You Is or Is You Ain't My Baby?
02. Curtain Call
03. Star Eyes
04. Moose the Mooch
05. Lolita
06. Morning Coffee
07. Don't Blame Me
08. Woody'N You

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
LPは1960年5月15日・16日の録音、リヴァーサイド・レコード(Riverside Records)RLP326番、8曲入り、サンフランシスコにある「ジャズ・ワークショップ」でのライブ。
CDは発売元がビクター音楽産業株式会社、オリン・キープニュース(Orrin Keepnews)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、岩浪洋三氏による日本語解説、8曲入り。
メンバーはピアノがバリー・ハリス、ベースがサム・ジョーンズ、ドラムがルイ・ヘイズ。
ライブ・ハウス「ジャズ・ワークショップ」は1959年のキャノンボール・アダレイ兄弟のライブで有名な場所。
バリー・ハリスをニューヨークに呼んだのは、何を隠そうキャノンボール・アダレイだと言うから偶然ではない。
バリー・ハリスは一般にバド・パウェル派とされるが、ただの真似に終わらずに理論と技術を再構築した。
決して表現しすぎない控えめな音にエレガントさが加わる。
性格も控えめで、あまり表に出ることを好まない。
お祭り騒ぎの好きなジャズ界において貴重な存在だった。
ここでは、リズム隊もどちらかと言うとサム・ジョーンズとルイ・ヘイズも誇張しない静かなミュージシャン。
そのため演奏は決してハミ出さず、それでいて手本的な本物のビ・バップ・ピアノを聴く事ができる。
2021年12月8日、惜しくもバリー・ハリスが新型コロナウイルスによる合併症のため亡くなった。
享年91歳。
もう二度と演奏を聴く事が出来ない。
ビ・バップのレジェンドが一つ消えた。
(青木高見)





Barry Harris / Preminado (OJCCD-486-2) Barry Harris / Preminado (OJCCD-486-2)

Recorded : January 19, 1961

Personnel :
Barry Harris (p)
Joe Benjamin (b)
Elvin Jones (ds)

Song name :
01. My Heart Stood Still
02. Preminado
03. I Should Care
04. There's No One But You
05. One Down
06. It's the Talk of the Town
07. Play, Carol, Play
08. What Is This Thing Called?

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
LPは1961年1月19日の録音、発売元がリヴァーサイド・レコード(Riverside Records)RLP354番、8曲入り。
CDは発売元がOJC、輸入盤、クリス・アルバートソン(Chris Albertson)氏、オリン・キープニュース(Orrin Keepnews)氏による英語ライナーノーツ、8曲入り。
メンバーはピアノがバリー・ハリス、ベースがジョー・ベンジャミン、ドラムがエルビン・ジョーンズ。
何ともカッコいいアルバム・ジャケット、ジャズ喫茶の全盛時代、特にリクエストが多かった。
これを聴きながら煙草を燻(くゆ)らし、珈琲を頼む、本を読む、天井の一点を見つめた、それが粋だった。
ビ・バップを貫き通し、ビ・バップを心底、愛してやまなかったバリー・ハリス。
そういえば共演者のベース、ジョー・ベンジャミンは、カーメン・マクレーの「ブック・オブ・バラード」でいいベースを弾いている。
ドラムのエルビン・ジョーンズは、どちらかというとバリー・ハリスとは対極を成すドラマーだが、ここでは決してヤリ過ぎず、バリー・ハリスをにピッタリ寄り添い、小気味いいドラミングに徹している。
2021年12月8日、惜しくもバリー・ハリスが新型コロナウイルスによる合併症のため亡くなった。
享年91歳、もう二度と演奏を聴く事が出来ない、ビ・バップのレジェンドが一つ消えた。
(青木高見)





Barry Harris / Chasin' The Bird (VICJ-23733) Barry Harris / Chasin' The Bird (VICJ-23733)

Recorded : May 31 and August 23, 1962

Personnel :
Barry Harris (p)
Bob Cranshaw (b)
Clifford Jarvis (ds)

Song name :
01. Chasin' the Bird
02. The Breeze and I
03. Around the Corner
04. Just as Though You Were Here
05. (Back Home Again in) Indiana
06. Stay Right with It
07. Round About Midnight ('Round Midnight)
08. Bish Bash Bosh
09. Way You Look Tonight (The)

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはバリー・ハリス、 LPは1962年5月31日・8月23日の録音、発売元がリヴァーサイド・レコード(Riverside Records)RLP9435番、9曲入り、邦題「バードを追って」。
CDは発売元がビクター音楽産業株式会社、アイラ・ギトラー(Ira Gitler)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、岩浪洋三氏による日本語解説、9曲入り。
メンバーはピアノがバリー・ハリス、ベースがボブ・クランショウ、ドラムがクリフォード・ジャーヴィス。
アルバム・タイトル「Chasin' The Bird 邦題:バードを追って」のバードとはチャーリー・パーカーの事。
一般にビ・バップが流行した時代は1940年代~50年代の初頭、バリー・ハリスはその終わり頃に現われた。
ジャズは、その後どんどん変化していくがバリー・ハリスは流行には目もくれず、生涯ビ・バップを弾き通す。
    晩年はビ・バップの指導を精力的に行った。
2021年12月8日、惜しくも新型コロナウイルスによる合併症のため亡くなった、享年91歳。
レジェンド・ジャズ・ミュージシャンの訃報を聞くのはホント辛(つら)い。
以下演目の作曲者を明記した。 01. Chasin' the Bird / Charlie Parker
02. The Breeze and I / Ernesto Lecuona, Al Stillman
03. Around the Corner
04. Just as Though You Were Here / John Benson Brooks, Eddie DeLange
05. (Back Home Again in) Indiana / James F. Hanley, Ballard MacDonald
06. Stay Right with It
07. Round About Midnight ('Round Midnight) / Thelonious Monk
08. Bish Bash Bosh
09. Way You Look Tonight (The) / Dorothy Fields, Jerome Kern
(青木高見)





Barry Harris / Magnificent! (UCCD-9355) Barry Harris / Magnificent! (UCCD-9355)

Recorded : November 25, 1969

Personnel :
Barry Harris (p)
Ron Carter (b)
Leroy Williams (ds)

Song name :
01. Bean and the Boys
02. You Sweet and Fancy Lady
03. Rouge
04. Ah-Leu-Cha
05. Just Open Your Heart
06. Sun Dance
07. These Foolish Things
08. Dexterity

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : バリー・ハリス(Barry Harris 出生名:Barry Doyle Harris 1929年12月15日~2021年12月8日)はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。
LPは1969年11月25日録音、発売元がプレスティッジ(Prestige)PR7733番、8曲入り。
CDは制作がユニバーサル・クラシック&ジャズ、発売・販売元がユニバーサル・ミュージック株式合同会社、アイラ・ギトラー(Ira Gitler)氏による英語ライナーノーツ、FK氏によるライナーノー和訳、8曲入り。
メンバーはピアノがバリー・ハリス、ベースがロン・カーター、ドラムがリロイ・ウィリアムス。
アルバム・タイトル「Magnificent」とは「壮大」「堂々たる」、更にそれに「!」が付いた。
バリー・ハリスがアルバムに込めた気合いを感じる。
演奏は生涯愛し続けた「ビ・バップ」への飽くなき探求。
音楽の世界が、どんなに変化しようとも、流行には目もくれず、頑固ともいえるジャズマン。
バド・パウエルほど激情にならず、お洒落でエレガントな音も魅力。
話が飛ぶがインターネットのユーチューブでバリー・ハリスのワーク・ショップやクリニックを観る事ができる。
直接、生徒に手ほどきしている姿は感動的。
音が出ただけで空気が一変し濃厚なジャズの香りが立ちこめる。
2021年12月8日、惜しくも新型コロナウイルスによる合併症のため亡くなった、享年91歳。
レジェンド・ジャズ・ミュージシャンの訃報を聞くのはホント辛(つら)い。
もう二度とアルバムが増える事はない。
(青木高見)




▲ページの上に戻る▲