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ここでは集めた「浪曲」のCDのを掲載しています。


吉田奈良丸/勧進帳 義経堅田落ち・安宅の関 (TECR-20207) 吉田奈良丸/勧進帳 義経堅田落ち・安宅の関 (TECR-20207)
松平国十郎/忠臣蔵列伝 元禄武士道 (TECR-20209) 松平国十郎/忠臣蔵列伝 元禄武士道 (TECR-20209)
春日井梅鶯/血涙南部坂 (TECR-20127) 春日井梅鶯/血涙南部坂 (TECR-20127)



[至宝! 浪曲名人選シリーズ(全12巻)]
巻の壱 二代 広沢虎造/[清水次郎長伝]石松金比羅代参・石松三十石船道中・石松の最後 (OCD-4101) 巻の壱 二代 広沢虎造/[清水次郎長伝]石松金比羅代参・石松三十石船道中・石松の最後 (OCD-4101)
巻の弐 二代 広沢虎造/[清水次郎長伝]追分宿の仇討ち [国定忠治]忠治・赤城の血煙り (OCD-4102) 巻の弐 二代 広沢虎造/[清水次郎長伝]追分宿の仇討ち [国定忠治]忠治・赤城の血煙り (OCD-4102)
巻の参 寿々木米若/佐渡情話 篠田 実/紺屋高尾 (OCD-4103) 巻の参 寿々木米若/佐渡情話 ・ 篠田 実/紺屋高尾 (OCD-4103)
巻の四 初代 春日井梅鶯/赤城の子守唄・天野屋利兵衛 (OCD-4104) 巻の四 初代 春日井梅鶯/赤城の子守唄・天野屋利兵衛 (OCD-4104)
巻の伍 三門 博/[唄入り観音経]吉五郎発端の巻・
吉五郎改心の巻 (OCD-4105) 巻の伍 三門 博/[唄入り観音経]吉五郎発端の巻・ 吉五郎改心の巻 (OCD-4105)
巻の六 二代 玉川勝太郎/[天保水滸伝] 笹川の花会 浪花亭綾太郎/壷坂霊験記 (OCD-4106) 巻の六 二代 玉川勝太郎/[天保水滸伝]笹川の花会 ・ 浪花亭綾太郎/壷坂霊験記 (OCD-4106)
xx 巻の七 梅中軒鶯童/[紀伊国屋文左衛門]紀文の船出 ・  三代 吉田奈良丸/[勧進帳]安宅の関 (OCD-4107)
巻の八 京山幸枝若/[会津の小鉄]文治殺し・血煙の稲荷山 [浪曲河内音頭]河内十人斬り (OCD-4108) 巻の八 京山幸枝若/[会津の小鉄]文治殺し・血煙の稲荷山 [浪曲河内音頭]河内十人斬り (OCD-4108)
巻の九 伊丹秀子/瞼の母 ・ 天津羽衣/岸壁の母 (OCD-4109) 巻の九 伊丹秀子/瞼の母 ・ 天津羽衣/岸壁の母 (OCD-4109)
巻の拾 初代 東家浦太郎/[野狐三次]大師詣で ・ 初代 相模太郎/[灰神楽三太郎]灰神楽道中記 (OCD-4110) 巻の拾 初代 東家浦太郎/[野狐三次]大師詣で ・ 初代 相模太郎/[灰神楽三太郎]灰神楽道中記 (OCD-4110)
巻の拾弐 初代 日吉川秋斎/[水戸黄門漫遊記]安倍川の巻・[左甚五郎]江戸の巻 ・ 五月一朗/[太閤記]秀吉の報恩 (OCD-4111) 巻の拾弐 初代 日吉川秋斎/[水戸黄門漫遊記]安倍川の巻・[左甚五郎]江戸の巻 ・ 五月一朗/[太閤記]秀吉の報恩 (OCD-4111)
巻の拾弐 天津羽衣/お吉物語 (OCD-4112) 巻の拾弐 天津羽衣/お吉物語 (OCD-4112)



[広沢虎造/清水次郎長伝(全16巻)]
広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(上巻) 全16巻の1 広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(上巻) 全16巻の1
広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(下巻) 全16巻の2 広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(下巻) 全16巻の2
広沢虎造/清水次郎長伝・名古屋の御難・勝五郎の義心 全16巻の3 広沢虎造/清水次郎長伝・名古屋の御難・勝五郎の義心 全16巻の3
広沢虎造/清水次郎長伝・石松と勝五郎 全16巻の4 広沢虎造/清水次郎長伝・石松と勝五郎 全16巻の4
広沢虎造/清水次郎長伝・お蝶の焼香場・次郎長の貫禄 全16巻の5 広沢虎造/清水次郎長伝・お蝶の焼香場・次郎長の貫禄 全16巻の5
広沢虎造/清水次郎長伝・久六の宿場・次郎長の計略 全16巻の6 広沢虎造/清水次郎長伝・久六の宿場・次郎長の計略 全16巻の6
広沢虎造/清水次郎長伝・大野の宿場・代官斬り 全16巻の7 広沢虎造/清水次郎長伝・大野の宿場・代官斬り 全16巻の7
広沢虎造/清水次郎長伝・石松金比羅代参・石松三十石船道中 全16巻の8 広沢虎造/清水次郎長伝・石松金比羅代参・石松三十石船道中 全16巻の8
広沢虎造/清水次郎長伝・石松と見受山鎌太郎・石松と都鳥一家 全16巻の9 広沢虎造/清水次郎長伝・石松と見受山鎌太郎・石松と都鳥一家 全16巻の9
広沢虎造/清水次郎長伝・石松と七五郎・閻魔堂の欺し討ち 全16巻の10 広沢虎造/清水次郎長伝・石松と七五郎・閻魔堂の欺し討ち 全16巻の10
広沢虎造/清水次郎長伝・お民の度胸・石松の最期 全16巻の11 広沢虎造/清水次郎長伝・お民の度胸・石松の最期 全16巻の11
広沢虎造/清水次郎長伝・為五郎の悪事 全16巻の12 広沢虎造/清水次郎長伝・為五郎の悪事 全16巻の12
広沢虎造/清水次郎長伝・追分三五郎・追分宿の仇討ち 全16巻の13 広沢虎造/清水次郎長伝・追分三五郎・追分宿の仇討ち 全16巻の13
広沢虎造/清水次郎長伝・清水の三下奴・善助の首取り・鬼吉の喧嘩状 全16巻の14 広沢虎造/清水次郎長伝・清水の三下奴・善助の首取り・鬼吉の喧嘩状 全16巻の14
広沢虎造/清水次郎長伝・次郎長と玉屋の玉吉 全16巻の15 広沢虎造/清水次郎長伝・次郎長と玉屋の玉吉 全16巻の15
広沢虎造/清水次郎長伝・血煙荒神山(蛤屋の喧嘩) 全16巻の16 広沢虎造/清水次郎長伝・血煙荒神山(蛤屋の喧嘩) 全16巻の16

【以下、歌謡浪曲】
三波春夫/戦国歌絵巻 (TECA-28696) 三波春夫/戦国歌絵巻 (TECA-28696)
再発見・ニッポンの音・芸 [3] 物語のふるさと (TECR-20173) 再発見・ニッポンの音・芸 [3] 物語のふるさと (TECR-20173)
再発見・ニッポンの音・芸 [4] アウトロー伝説 (TECR-20174) 再発見・ニッポンの音・芸 [4] アウトロー伝説 (TECR-20174)
再発見・ニッポンの音・芸 [5] 歌になった浪曲 (TECR-20175) 再発見・ニッポンの音・芸 [5] 歌になった浪曲 (TECR-20175)
天津羽衣(あまつはごろも)/歌謡浪曲の世界 (TFC18007) 天津羽衣(あまつはごろも)/歌謡浪曲の世界 (TFC18007)

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【以下、コンテンツ】

吉田奈良丸/勧進帳 義経堅田落ち・安宅の関 吉田奈良丸/勧進帳 義経堅田落ち・安宅の関 (TECR-20207)

演目:
01. 義経堅田落ち
02. 安宅の関

コメント:安宅の関(あたかのせき)は、石川県小松市に位置する伝説的な関所で源義経の物語と深く結びついている。
義経が兄・頼朝に追われて奥州へ逃れる途中、家来の弁慶と共に、この関所を通過しようとした場面。
弁慶が偽(にせ)の勧進帳(寄付を募るための巻物)(かんじんちょう)を即興で読み上げ、義経を守るために機転を利かせる。
関守・富樫泰家は義経一行を疑いながらも弁慶の忠義に心を打たれ、通過を許すという展開。
この物語は能「安宅」や歌舞伎「勧進帳」として繰り返し演じられ、日本の伝統芸能の中でも特に人気のある演目となっている。
能では静かな所作と余白を重視し、歌舞伎では豪快な演出と色鮮やかな舞台美術が見どころとなっている。
ちなみに、安宅の関跡には義経・弁慶・富樫の銅像が立ち、「智・仁・勇」の象徴として訪れる人々を迎えている。
(青木高見)
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松平国十郎/忠臣蔵列伝 元禄武士道 (TECR-20209) 松平国十郎/忠臣蔵列伝 元禄武士道 (TECR-20209)

演目:
01. 元禄武士道(その一)
02. 元禄武士道(その二)

コメント:松平国十郎による浪曲「忠臣蔵列伝 元禄武士道」で忠臣蔵の裏面史ともいえる梶川与惣兵衛と老中・土屋相模守の対面を描いた作品。
映画やテレビではあまり取り上げられない場面に焦点を当てている。
この浪曲は二部構成で、曽我兄弟の仇討ちを通して武士の情や忠義を語り、浅野内匠頭の刃傷事件に対する梶川の心情の変化が描かれている。
最終的に梶川は頭を剃って諸国行脚の旅に出るという展開で、武士道の本質に迫る内容。
松平国十郎の語り口は品があり、土屋の威厳や物語の重みを感じさせると評される。
(青木高見)
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春日井梅鶯/血涙南部坂 (TECR-20127) 春日井梅鶯/血涙南部坂 (TECR-20127)

演目:
01. 血涙南部坂 (その一)
02. 血涙南部坂 (その二)

コメント:春日井梅鶯(かすがい ばいおう)は、浪曲界の名人として知られている。 特にこのCDの「血涙南部坂」は彼の代表的な演目となっている。
内容は忠臣蔵の物語の一部を描いたもので、特に「南部坂雪の別れ」や「吉良邸涙の本懐」「泉岳寺輝く墓前」など、義士たちの情と覚悟が込められた場面が展開される。
初代春日井梅鶯は、1905年生まれ、14歳で浪曲師・春日井梅吉に入門。
1933年「赤城の子守唄」で一躍スターダムにのし上がり、その後も「天野屋利兵衛」「越後獅子祭り」「残菊物語」などのヒット作を生み出した。
語り口は「梅鶯節」と呼ばれ、美声とリズム感を特徴とする。
(青木高見)
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[広沢虎造/清水次郎長伝(全16巻)]
広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(上巻) 広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(上巻) 全16巻の1

演目:
01. 秋葉の火祭り(上巻)その一
02. 秋葉の火祭り(上巻)その二

コメント:二代目・広沢虎造による浪曲作品「清水次郎長伝・秋葉の火祭り(上巻)」は、1995年にテイチク・エンタテインメントから発売された。
物語は、法印大五郎との出会いから秋葉三尺坊の火祭りでの敵討ち。
次郎長の深慮や大五郎の機略、虎造浪曲ならではの情感と節回しが聴きどころ。
物語背景は安政二年の春、次郎長が偶然助けた男・法印大五郎の過去から、やがて仇討ち、秋葉の火祭りという舞台設定。
さあ!いよいよ始まる全16巻の口火がきっておとされる。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(下巻) 広沢虎造/清水次郎長伝・秋葉の火祭り(下巻) 全16巻の2

演目:
01. 秋葉の火祭り(下巻)その一
01. 秋葉の火祭り(下巻)その二

コメント:物語は、次郎長が甥の仇討ちの相手・神澤小五郎を追って秋葉の火祭りの賭場へ向かう場面から。
法印大五郎の計略によって決闘へと展開する。
敵討ちの緊迫した場面、登場人物たちの人間模様、虎造節の魅力が存分に味わえる。
倫理観や人情、信頼と裏切りなど、浪曲ならではの人生訓も随所に、ちりばめられ聴くたびに新鮮さがある。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・名古屋の御難・勝五郎の義心 広沢虎造/清水次郎長伝・名古屋の御難・勝五郎の義心 全16巻の3

演目:
01. 名古屋の御難
02. 勝五郎の義心

コメント:物語は、秋葉山での事件の後、清水を離れざるを得なくなった次郎長が病気の女房・お蝶と子分の石松を連れて旅に出るところから始まる。
名古屋に着いた一行は金も尽きて困窮する中、かつて次郎長に世話になった勝五郎と再会する。
勝五郎は貧しいながらも次郎長たちを自宅に招き精一杯の、もてなしをする。
作品の魅力は勝五郎の義理人情と次郎長の誠実な人柄が交差する場面。
浪曲ならではの語りと三味線の調べ、登場人物の心情を深く描き出す、まさに虎造浪曲でなくてはならない感動。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・石松と勝五郎広沢虎造/清水次郎長伝・石松と勝五郎 全16巻の4

演目:
01. 石松と勝五郎 その一
02. 石松と勝五郎 その二

コメント:物語は、森の石松と勝五郎は困窮の中で保下田の久六に助けを求めるも久六はかつて次郎長に恩義がありながらも、冷たく断る。
これに石松は激怒、そんな様子を傍らで聞いていた深見村の長兵ヱが、ふたりに手を差し伸べる。
勝五郎は涙ながらに感謝の言葉を述べ「清水の親分にどう顔を合わせればいいか」と悩む。
長兵ヱは「頭を下げるな、涙を拭け、みっともねぇから」と励まし男たちの絆が深まる。
義理を重んじる勝五郎の誠実さ、石松の情熱的な性格、聴く者の心を打つ展開。
虎造の語りと三味線の調べは増々冴え、登場人物の心情を巧みに描き出す。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・お蝶の焼香場・次郎長の貫禄 広沢虎造/清水次郎長伝・お蝶の焼香場・次郎長の貫禄 全16巻の5

演目:
01. お蝶の焼香場
02. 次郎長の貫禄

コメント:物語は、清水次郎長の妻・お蝶が亡くなった後の葬儀の場面から始まる。
焼香場には多くの人々が参列する中、かつて次郎長に恩義を受けた保下田の久六が姿を見せない。
そのことに石松が憤り、久六の不義理を痛烈に語る。
場面では石松の義侠心と次郎長一家の絆が浮き彫りになる。
語りは静かな哀しみと怒りを巧みに織り交ぜグイグイと引き寄せられる。
「次郎長の貫禄」では親分としての次郎長の器の大きさと人望が描かれる。
困難な状況でも冷静に対処し周囲の信頼を集める姿は、まさに「貫禄」という言葉にふさわしい。
義理を重んじる者たちが次郎長のもとに集い、物語は更なる展開へと進む。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・久六の宿場・次郎長の計略 広沢虎造/清水次郎長伝・久六の宿場・次郎長の計略 全16巻の6

演目:
01. 久六の宿場
02. 次郎長の計略

コメント:物語は、保下田の久六が代官を動かして次郎長を追い詰める場面。
次郎長はやむなく遁走し、深見村の長兵衛は捕らえられて牢死してしまう。
この報せが寺津間之助の家に届き、物語は一気に緊迫感を増す。
次郎長の計略では、次郎長が敵を欺くために偽の葬儀(から葬)を仕掛けるという大胆な計略を実行。
これは敵を油断させた隙に代官屋敷へ斬り込みをかけるというもの。
まさに「義侠と知略」の融合、次郎長の貫禄が光る。
虎造の語りと三味線は増々冴えわたり、聴く者を物語の渦中へと引き込んでいく。
まるで嵐の前の静けさから一転、雷鳴のような後半への展開は圧巻。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・大野の宿場・代官斬り 広沢虎造/清水次郎長伝・大野の宿場・代官斬り 全16巻の7

演目:
01. 大野の宿場
02. 代官斬り

コメント:物語は大野の宿場で起こる事件。
次郎長一家が宿場に立ち寄った際、代官が民を苦しめ私腹を肥やしていた事を知る。
次郎長はその不正を見過ごすことができず、義侠心から代官に立ち向かう箏を決意。
そして代官斬りというクライマックスへ。
次郎長は仲間たち共に代官の屋敷へ乗り込み、悪を討つことで民を救い、正義を貫く姿が描かれている。
まさに義と情の物語。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・石松金比羅代参・石松三十石船道中 広沢虎造/清水次郎長伝・石松金比羅代参・石松三十石船道中 全16巻の8

演目:
01. 石松金比羅代参
02. 石松三十石船道中

コメント:物語は次郎長が悪代官・竹垣三郎兵衛と保下田の久六を討った際、金比羅様に願掛けをしていた。
その、お礼参りをするため森の石松が代参を命じられ、石松は「酒を一滴も飲むな」と言われて辞退しようとする。
けれど次郎長は「石松でなければダメだ」と譲らず、二人は意地の張り合いに。
結局、金比羅参りを無事果たした石松は、帰りに大坂の八軒屋から伏見へ向かう三十石船に乗る。
船の中で江戸っ子が「次郎長こそ海道一の親分だ」と語り始めるけれど、石松の名前がまったく出てこない!
石松は酒と寿司を振る舞いながら、自尊心を傷つけられていく、その姿が滑稽で、でもどこか切ない。
人情と笑いが交錯する、広沢虎造/清水次郎長伝の名場面。
人のいい石松、もし金比羅代参に行かなかったら死ぬ事は、なかったかもしれない。
[以下、石松三十石船道中、船の上でのクライマックスの一部]
「浜松の魚売りの倅(せがれ)、
お父つァんに患(わずら)われて食うことができない。
シジミを売って親孝行。
お上(かみ)から、三度、褒美を頂いたが、
十三の暮れにお父つァんに死に別れて、
何とかヤケだってンで、バクチ打ちになって次郎長の子分。
身体が小さいから、人が馬鹿にしていけない。
こうゆう家業は、馬鹿にされちゃ男ンなれねい。
今日から剣術を習おう。
並大抵の剣術じゃだめだって、居合抜きを習った。
山椒小粒でヒリリと辛い、大きな喧嘩は大政だが、
小さい喧嘩は小政に限るって。小政が二番だな。」
「あん畜生、手が早いからね、ドーモ。三番は誰でい。」
「千住の草加の在の大瀬村の村役人の倅(せがれ)、
大瀬半五郎だね。」
「あいつあ、利口だからな、人間がな。
おれはどっちかてえと、少しおっちょこちょいだからな、
まったく。で、四番は誰でえ。」
「遠州秋葉、三尺坊(さんじゃくぼう)の火祭りで、
お父つァんの敵討ちをした増川仙右衛門だな。」
「ア~五番だな、俺はなあ。段々、段々下がって来やがる。
だけど否(いや)が応でも、五番にや俺よりねェだろう。五番は。」
「法印大五郎。」
「六番は。」
「追分三五郎。」
「七番は。」
「尾張の大野の鶴吉。」
「八番は。」
「尾張の桶屋の吉五郎。」
「九番は。」
「三保の松五郎。」
「十番は。」
「問屋場の大熊。」
「出て来ねェね。俺はね。こね野郎、俺を知らねェな。
嫌な野郎に会っちゃたな、こりゃあ。
ずいぶん寿司を食いやがって、マタ。十一番は。」
「鳥羽熊。」
「十二番は。」
「豚松。」
「十三番は。」
「伊達の五郎。」
「十四番は。」
「石屋の重吉(じゅうきち)。」
「十五番は。」
「お相撲綱。」
「十六番は。」
「滑栗(なめぐり)初五郎。」
「十七番は。」
「煩(うる)せいな、オイ。下足の札貰ってんじゃねェや。
何言ってやんだ。十六番、十七番って言ってやンだ。
いくら次郎長の子分が強いッたって、
強いといって自慢するのはそんなもんだ。
後の奴は、一山いくらのガリガリ亡者ばっかりだよ。」 「こね野郎、とうとうガリガリ亡者にしやがったな、俺を。」
「ヤイ、もっと前へ出ろ。面白くねェな、テメエは。
俺はね、初めてオメエの顔を見たときに、
ヤァこいつは面白くねェなと思ったんだ、本当は。
さっきから黙って見てりゃ、誰のモン食っているんだ。
酒だって、寿司だって、みんな俺が買ったんだぞ。
たとえ飲みねェ、食いねェったってね、人ってものは遠慮するもンだ。
なに? もう食いません。
なんだ、あらから食っちゃったじゃねェか、オメエは。
なにも酒飲んだ、寿司を食ったからって、
怒るようなしみったれじゃねェや、俺は。
けど、怒りたくなるじゃねェか。
オメエ何だね、詳しいように見えて、あんまり詳しくねェな。
次郎長の子分で、肝心なのを一人忘れてやしませんかってんだ。
この船が伏見に着くまででいいから、胸に手ェ当てて、
よおく考えてくれ。エ、オイ。」
「泣いたってしょうがねェな、お前さんな。
いくら胸に手をあてて考えてたって、
そのほ~か~に、強~いといい、強い。オ~、一人あった。」
「それ見ろ、誰だい。」
「こりゃ強いや。」
「オー。」
「奇妙院常五郎。」
「ヤな野郎だね、こん畜生。」
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広沢虎造/清水次郎長伝・石松と見受山鎌太郎・石松と都鳥一家 広沢虎造/清水次郎長伝・石松と見受山鎌太郎・石松と都鳥一家 全16巻の9

演目:
01. 石松と見受山鎌太
02. 石松と都鳥一家

コメント:物語は金比羅参りの帰り道、石松は草津追分で評判の貸元・見受山鎌太郎を訪ねる。
初対面ながら、鎌太郎は石松を厚くもてなし、三日間の滞在でその器量に石松は感服。
実はこのもてなしは、以前清水一家が鎌太郎の子分を助けたことへの「ご恩返し」だった。
侠客同士の礼節と情が交差する、静かな感動の一席。
鎌太郎宅を後にした石松は、遠州・都田村で都鳥三兄弟に出会う。
彼らは借金に困っており、石松が持つ百三十両のうち百両を巧みに借りるが、返す気はまるでなし。
義理人情に厚い石松が騙される姿と鎌太郎との対比で三兄弟の狡猾さが際立つ、波乱の始まりが着々と進んでいく。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・石松と七五郎・閻魔堂の欺し討ち 広沢虎造/清水次郎長伝・石松と七五郎・閻魔堂の欺し討ち 全16巻の10

演目:
01. 石松と七五郎
02. 閻魔堂の欺し討ち

コメント:
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・お民の度胸・石松の最期広沢虎造/清水次郎長伝・お民の度胸・石松の最期 全16巻の11

演目:
01. お民の度胸
02. 石松の最期

コメント:物語は、金比羅参りの帰り道、石松は旧友・七五郎の家を訪ねる。 女房のお民とも再会し、昔話に花が咲く。
石松は酒が進むにつれて陽気さが消え、頑固な一面が顔を出す。
七五郎夫婦が止めるのも聞かず、石松は都鳥一家の元へ戻る。
石松が戻った都鳥の家には、かつて次郎長に討たれた保下田の久六の子分が、名を変えて潜伏していた。
石松に借りた金を返したくない都鳥一家と久六の子分は、石松を欺して討つ計略を練る。
翌晩、石松は酒を飲まされ、罠にはまってしまってしまう。
前半の陽気な雰囲気から一転、暗雲立ち込める展開へと突入していく。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・為五郎の悪事 広沢虎造/清水次郎長伝・為五郎の悪事 全16巻の12

演目:
01. 為五郎の悪事(その一)
02. 為五郎の悪事(その二)

コメント:物語は、石松が都鳥一家に欺され討たれてから三日後、天竜川の川端に住む本座村の貸元・為五郎のもとへ、都鳥一家七人が現れる。
為五郎はすでに石松殺しの一件を知っており、都鳥たちを物置に匿う。
そこへ清水次郎長一行が現れ、かつて代官竹垣三郎兵衛を斬った際に三日間世話になった礼として、為五郎に三十両を渡す。
為五郎はその場で石松が殺されたことを告げ、一行は驚愕。
大政は兄貴風を吹かしていたことを悔い、次郎長も男泣きする。
「誰がやったか知っているな」と問われた為五郎は、物置の方を指差す。
ここで物語は緊迫の頂点へ。
だが、この口演は為五郎の遺族による訴訟の影響で、途中で終わってしまうという運命をたどる。
石松の死をめぐる人間模様、次郎長の悲しみが深く描かれていて、虎造の節回しが胸に響く。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・追分三五郎・追分宿の仇討ち 広沢虎造/清水次郎長伝・追分三五郎・追分宿の仇討ち 全16巻の13

演目:
01. 追分三五郎
02. 追分宿の仇討ち

コメント:物語は、石松の死後、清水一家の子分十一人が河豚に当たって亡くなったという噂が広まり、それが誇張されて「次郎長も虫の息」とまで言われるようになる。
これを聞いた都鳥三兄弟は「今が好機」と清水へ向かう。
途中、追分宿の旅籠「青木屋」に泊まり、そこから斬り込む計画を立てるが、偶然そこにいた次郎長の子分・追分三五郎が都鳥の悪だくみを聞きつけ、急ぎ次郎長に知らせる。
都鳥一家が寝首をかこうとしていると知った次郎長は、「向こうが十一人なら、こちらも十一人」と主だった子分を集め、青木屋へ向かう。
主人に三百両を渡して「石松の仇討ちをここで行いたい」と告げると、石松の死を悲しんでいた主人は涙ながらに承知。
主人は家族と奉公人を避難させ、次郎長一家が屋内に入り、火の元をすべて消して準備万端。
そして、都鳥一家十一人を見事に曲斬りにする──侠客の義と情、そして冷静な判断力が光る。
石松の死を無駄にしない次郎長の覚悟と、青木屋の主人の情けが胸を打つ。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・清水の三下奴・善助の首取り・鬼吉の喧嘩状 広沢虎造/清水次郎長伝・清水の三下奴・善助の首取り・鬼吉の喧嘩状 全16巻の14

演目:
01. 清水の三下奴
02. 善助の首取り
03. 鬼吉の喧嘩状

コメント:物語は、若勇が借金の形に化粧回しを取られた箏を代理の政吉が次郎長に詫びるところから始まる。
借金返済の使いに出された三下奴二人は、相手に「弱い」と言われて逆上。
侠客の面目を保とうとするが、そこから波乱が始まる。
醤油屋の善助は、詫びを入れようとするが、逆上した三下奴に斬首されてしまう。
善助は義理堅い人物で、彼の死は清水一家にとって大きな衝撃。
ここで黒駒勝蔵が加勢し、事態はさらに複雑に。
善助の死を受けて、小岩が清水へ喧嘩状を届ける。
それに対し清水からは桶屋の吉五郎、通称「鬼吉」が返事を持って出向く。
鬼吉は早桶を背負って登場し、まるで「死を覚悟した使者」のような趣向、義理と覚悟の交錯。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・次郎長と玉屋の玉吉 広沢虎造/清水次郎長伝・次郎長と玉屋の玉吉 全16巻の15

演目:
01. 次郎長と玉屋の玉吉(その一)
02. 次郎長と玉屋の玉吉(その二)

コメント:物語の舞台は東海道・御油宿。
玉屋の若旦那・玉吉は清水次郎長と黒駒勝蔵の間に起きた喧嘩をなんとか収めようと奔走する。
若さゆえの正義感と、宿場の顔役としての責任感が玉吉を突き動かすが、侠客同士の確執はそう簡単には収まらない。
玉吉は「年寄りの真似すんな」と若者らしい啖呵を切り、祭りの熱気や浴衣姿の勢いを語る。
結局、仲裁は失敗に終わり、物語は次郎長伝の最終章「血煙荒神山」へとつながっていく。
次郎長一家の仁吉が長吉との喧嘩で命を落としかけた際、玉屋の玉吉が仲裁に入り、長吉の命乞いをすることで、長吉は渡世人から足を洗う。
(青木高見)
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広沢虎造/清水次郎長伝・血煙荒神山(蛤屋の喧嘩 広沢虎造/清水次郎長伝・血煙荒神山(蛤屋の喧嘩) 全16巻の16

演目:
01. 血煙荒神山(蛤屋の喧嘩)(その一)
02. 血煙荒神山(蛤屋の喧嘩)(その二)

コメント:
物語は全巻の最終章。 「水戸次郎長伝」の「血煙荒神山(蛤屋の喧嘩)」は清水次郎長一家と桑名藩の博徒、安濃徳との間で起きた縄張り争いが描かれる。
喧嘩は次郎長の子分である吉良の仁吉が神戸の長吉の助太刀として参加、安濃徳の軍勢と荒神山で激突。
最終的に仁吉が命を落とす悲劇的な結末となる。
広沢虎造・清水次郎長伝・全16巻は、これにて終了。
物語のの中に没入している自分「もっと聴きたい!」
人生、これを聴いて生きるのと、聴かないで生きるとでは、大きな差が生まれる様に感じる。
(青木高見)
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【以下、歌謡浪曲】

三波春夫/戦国歌絵巻 (TECA-28696) 三波春夫/戦国歌絵巻 (TECA-28696)

演目:
01. 俺は藤吉郎
02. 信長
03. 太閤おどり
04. 日本の名将 武田信玄
05. 謙信出陣
06. 戦国塩物語
07. 古戦場
08. 天竜二俣城
09. 奥州の風雲児
10. 真田軍記 沼田城物語
11. 続・沼田城物語 関ヶ原前夜

コメント:
このジャンルを出来る人が、いなくなった昨今、戦国時代の武将たちをテーマに歌と語りで三波春夫が描く歌謡浪曲。
テーマは信長、秀吉、信玄、謙信、真田親子ほか。
迫力の表現は鍛え上げられた技による。
「こんにちは」だけではない三波春夫が楽しめる。
(青木高見)
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再発見・ニッポンの音・芸 [3] 物語のふるさと 再発見・ニッポンの音・芸 [3] 物語のふるさと (TECR-20173)

演目・唄:
01. 山椒太夫(鳴子の歌・親子対面の段)
  若松若太夫(二代目)
02. 石童丸(冒頭)
  榎本芝水、薩摩琵琶:錦心流
03. 傾城阿波の鳴門
  竹本綾之助・竹本綾一

コメント:
日本の語り物や浄瑠璃などの伝統的な芸能を収録したシリーズ・アルバム。
「山椒大夫」「石童丸」などの物語を中心に日本の伝統的な語りの美しさを体感できる。
特に「聴覚の芸」を再認識させられる。
(青木高見)
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再発見・ニッポンの音・芸 [4] アウトロー伝説 再発見・ニッポンの音・芸 [4] アウトロー伝説 (TECR-20174)

演目・唄:
01. 座頭市 ~ 座頭市子守唄
  勝新太郎
02. 名月赤城山
  玄海竜二
03. 石松と三十石船
  広沢虎造
04. 河内十人斬り(河内音頭)
  京山幸枝若

コメント:
石松と三十石船より
「浜松の魚売りの倅(せがれ)、
お父つァんに患(わずら)われて食うことができない。
シジミを売って親孝行。
お上(かみ)から、三度、褒美を頂いたが、
十三の暮れにお父つァんに死に別れて、
何とかヤケだってンで、バクチ打ちになって次郎長の子分。
身体が小さいから、人が馬鹿にしていけない。
こうゆう家業は、馬鹿にされちゃ男ンなれねい。
今日から剣術を習おう。
並大抵の剣術じゃだめだって、居合抜きを習った。
山椒小粒でヒリリと辛い、大きな喧嘩は大政だが、
小さい喧嘩は小政に限るって。小政が二番だな。」
「あん畜生、手が早いからね、ドーモ。三番は誰でい。」
「千住の草加の在の大瀬村の村役人の倅(せがれ)、
大瀬半五郎だね。」
「あいつあ、利口だからな、人間がな。
おれはどっちかてえと、少しおっちょこちょいだからな、
まったく。で、四番は誰でえ。」
「遠州秋葉、三尺坊(さんじゃくぼう)の火祭りで、
お父つァんの敵討ちをした増川仙右衛門だな。」
「ア~五番だな、俺はなあ。段々、段々下がって来やがる。
だけど否(いや)が応でも、五番にや俺よりねェだろう。五番は。」
「法印大五郎。」
「六番は。」
「追分三五郎。」
「七番は。」
「尾張の大野の鶴吉。」
「八番は。」
「尾張の桶屋の吉五郎。」
「九番は。」
「三保の松五郎。」
「十番は。」
「問屋場の大熊。」
「出て来ねェね。俺はね。こね野郎、俺を知らねェな。
嫌な野郎に会っちゃたな、こりゃあ。
ずいぶん寿司を食いやがって、マタ。十一番は。」
「鳥羽熊。」
「十二番は。」
「豚松。」
「十三番は。」
「伊達の五郎。」
「十四番は。」
「石屋の重吉(じゅうきち)。」
「十五番は。」
「お相撲綱。」
「十六番は。」
「滑栗(なめぐり)初五郎。」
「十七番は。」
「煩(うる)せいな、オイ。下足の札貰ってんじゃねェや。
何言ってやんだ。十六番、十七番って言ってやンだ。
いくら次郎長の子分が強いッたって、
強いといって自慢するのはそんなもんだ。
後の奴は、一山いくらのガリガリ亡者ばっかりだよ。」 「こね野郎、とうとうガリガリ亡者にしやがったな、俺を。」
「ヤイ、もっと前へ出ろ。面白くねェな、テメエは。
俺はね、初めてオメエの顔を見たときに、
ヤァこいつは面白くねェなと思ったんだ、本当は。
さっきから黙って見てりゃ、誰のモン食っているんだ。
酒だって、寿司だって、みんな俺が買ったんだぞ。
たとえ飲みねェ、食いねェったってね、人ってものは遠慮するもンだ。
なに? もう食いません。
なんだ、あらから食っちゃったじゃねェか、オメエは。
なにも酒飲んだ、寿司を食ったからって、
怒るようなしみったれじゃねェや、俺は。
けど、怒りたくなるじゃねェか。
オメエ何だね、詳しいように見えて、あんまり詳しくねェな。
次郎長の子分で、肝心なのを一人忘れてやしませんかってんだ。
この船が伏見に着くまででいいから、胸に手ェ当てて、
よおく考えてくれ。エ、オイ。」
「泣いたってしょうがねェな、お前さんな。
いくら胸に手をあてて考えてたって、
そのほ~か~に、強~いといい、強い。オ~、一人あった。」
「それ見ろ、誰だい。」
「こりゃ強いや。」
「オー。」
「奇妙院常五郎。」
「ヤな野郎だね、こん畜生。」
(青木高見)
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再発見・ニッポンの音・芸 [5] 歌になった浪曲 再発見・ニッポンの音・芸 [5] 歌になった浪曲 (TECR-20175)

演目・唄:
01. 笑う地球に朝が来る / 川田晴久とダイナブラザース
02. あきれた石松 / あきれたぼういず
03. 石松ぶし / 美ち奴・広沢虎造
04. 次郎長ぶし / 美ち奴・広沢虎造
05. 吉良の仁吉 / 美ち奴
06. 浪曲カクテル / 美ち奴
07. 涯なき南海 / 東海林太郎・寿々木米若
08. お好み都々逸 / 天中軒雲月(伊丹秀子)
09. 唄入り観音経 / 山門博
10. 津軽小原節 / 藤井ケン子
11. 出世佐渡情話 / 三波春夫
12. 俵星玄蕃 / 三波春夫

コメント:「俵星玄蕃(たわらぼし げんば)」は忠臣蔵の話で夜鳴き蕎麦屋に身を、やつした赤穂浪士の杉野十平次が槍の名手である浪人・俵星玄蕃に槍術を教わる中で心を通わせた。
吉良邸の用心棒として玄蕃が誘われることを知った十平次は、玄蕃を吉良邸側に、つかせないため、原惣右衛門に松平家を騙(だま)して偽(にせ)のスカウトを仕掛けさせる。
討ち入りの夜、玄蕃は原惣右衛門の策略に疑念を抱きつつも吉良邸に駆けつけ、そこで杉野十平次と再会する。
これが、おおよその筋(すじ)書きだが、演出によって色々異なる。
ある映画では、吉良邸に駆け付けた上杉の応援隊を街の辻で俵(たわら)を槍でついて投げつけ、浪士たちへの影の助太刀(すけだち)をする場面があり、その名の通り「俵星」の俵は、そこからきているものもある。
(青木高見)
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天津羽衣(あまつはごろも)/歌謡浪曲の世界 天津羽衣(あまつはごろも)/歌謡浪曲の世界 (TFC18007)

演目:
01. お吉物語
02. 十三夜
03. 鴛鴦道中(おしどりどうちゅう)
04. 明治一代女
05. 恋の松井須磨子
06. むらさき小唄
07. 九段の母
コメント:
天津羽衣 (本名:山田智子 1928年~1982年)は三重県伊賀市出身の浪曲師、演歌歌手、女優。
浪曲は伝統的なスタイルを継承しつつ、洋楽の要素やモダンなアレンジを取り入れるなど「羽衣節」として独自のスタイルを確立した。
特に冒頭の「お吉物語」は幕末の動乱期を舞台にドラマチックな物語を展開し多くの人の心を打った。
更に映画や歌謡曲にも挑戦し、浪曲の枠を超えた新しいエンターテイメントの形を生み出す。
1971年には渡米公演も成功させ国際的にも評価を受けた。
彼女が残した作品やスタイルは現在でも受け継がれ多くの芸人に影響を与えている。
わたくし事になるが、当アルバムは伊豆・下田の「唐人お吉記念館」で購入。
(青木高見)
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