青木高見のジャズコレクション Red Rodney (tp) レッド・ロドニー


略歴
Red Rodney レッド・ロドニー (Red Rodney 本名:Robert Roland Chudnick 1927年9月27日~1994年5月27日) はアメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれのジャズ・トランペット奏者。
レッドは赤い髪に染めたので、その渾名(あだな)が付いた。
チャーリー・パーカーがトランペットにレッド・ロドニーを据えて巡業していた時、黒人だけのクラブで白人のロドニーは何をされるかわからないので髪の毛を染め黒人に仕立て上げた、しかもアルビノ(白子)なんだとふれ回った。
それをさせたのはチャーリー・パーカーだろうがレッド・ロドニーには、この逸話が一生ついて回る。
(青木高見)



【INDEX (リーダーアルバム)】
Red Rodney / Bird Lives! (BRJ-4587)

【INDEX (共演アルバム)】



【以下コンテンツ】


Red Rodney / Bird Lives! (BRJ-4587) Red Rodney / Bird Lives! (BRJ-4587)

Recorded : July 9, 1973

Personnel :
Red Rodney (tp)
Barry Harris (p)
Charles McPherson (as)
Sam Jones (b)
Roy Brooks (ds)

Song name :
01. Big Foot
02. I'll Remember April
03. Donna Lee
04. Chasin' the Bird
05. Round About Midnight ('Round Midnight)
06. 52nd Street Theme

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : レッド・ロドニー (Red Rodney 本名:Robert Roland Chudnick 1927年9月27日~1994年5月27日) はアメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれのジャズ・トランペット奏者。
LPは1973年7月9日の録音、ミューズ・レコード(Muse Records)MR 5371番、6曲入り。
CDは発売元がクラウンレコード株式会社、ハワード・マンデル(Howard Mandel)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、小西啓一氏による日本語解説、6曲入り。
メンバーは、トランペットがレッド・ロドニー、ピアノがバリー・ハリス、アルトサックスがチャールス・マクファーソン、ベースがサム・ジョーンズ、ドラムがロイ・ブルックス。
チャーリー・パーカーがビ・バップを完成に近い形で録音したのが1945年、サヴォイの一連の作品とされている。
この時のトランペットがディジー・ガレスピー、2人の火の出る様な応酬は凄まじくジャズ史を塗り替えた。
そのディジー・ガレスピーの後釜でチャーリー・パーカーの厳しい、お眼鏡(メガネ)に叶ったのが、このレッド・ロドニーだった。
その経緯が、クリント・イーストウッド監督の映画で 「バード」 で知る事ができる。
映画の中の一場面、1949年、パーカー・クインテットが演奏旅行に付いていく白人レッド・ロドニー(役者:マイケル・ゼルニカー) 。
巡業先には南部黒人が多く、白人だと何かと問題が起きるため 「アルビノ(白子)のレッド」 の偽物の黒人として演奏させられる。
クリント・イーストウッドは、この演奏に関して、本物のチャーリー・パーカーとレッド・ロドニーの音源を使った。
映画ではチャーリー・パーカーの薬物の買出しのパシリ、あげくの果てに自分も薬物にハマッていく様子が描かれている。
チャーリー・パーカーが亡くなったのが1955年。
このアルバムは、その後しばらく経ってレッド・ロドニーが長い期間から復帰した時の演奏。
若さは無くなったものの、ビ・バップを継承する連中に支えられ、レッド・ロドニーの体にチャーリー・パーカーが乗り移り甦(よみがえ)っていくスリル感が怖い。
ある意味、ジャズ史に残る貴重な資料としても価値がある。
〔追補〕
CDライナー(文:小西啓一)を転記。
この中に 「Bird Lives」 訳:池央耽 草思社刊の第4部 「天才との旅」 にこうある。
【彼は小柄できびきびした男だった。身長5フィート・5インチ、体重120ポンドであった。顔はそばかす、赤い頭髪、よくしゃべる男で洗練された服飾センスの持ち主だった】
ちなみに、1フィートは 30.48cm、 1ポンドは 453.6g。
(青木高見)




▲ページの上に戻る▲