青木高見のジャズコレクション Cecil Taylor (p) セシル・テイラー


寸評
セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
1960年代、ファンキー、ハードバップをよそに、商業性を考えない自由を求めたスタイルのフリー・ジャズが台頭してきた。
セシル・テイラーの場合、オーネット・コールマン以前から即興を実験的行っていた。
「アバンギャルド」 とは一般的に 「前衛」 と直訳されるが、セシル・テイラーの場合、常識を越えた独特のリズム、ピアノ奏法が特徴とされる。
最初は中々聴きなれないが、おおらかな気持ちで何度も聴いていると突然、扉が開く。
(青木高見)

【INDEX (リーダーアルバム)】


【以下コンテンツ】


Cecil Taylor / Jazz Advance Cecil Taylor / Jazz Advance

Recorded : December 10, 1955

Personnel :
Cecil Taylor (p)
Steve Lacy (ss) #02, #04
Buell Neidlinger (b)
Denis Charles (ds)

Song name :
01. Bemsha Swing
02. Charge 'Em Blues
03. Azure
04. Song
05. You'd Be So Nice to Come Home To
06. Rick Kick Shaw

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1955年12月10日の録音、トランジション・レーベルからのリリース。
フリー・ジャズ界に大きな影響を与えたセシル・テイラーのファースト・アルバム。
共演者は、ソプラノ・サックスがスティーブ・レイシー、ベースがビュエル・ネイドリンガー、ドラムがデニス・チャールズ。
トランジション・レーベルの希少性、プロデユーサーのトム・ウイルソンとセシル・テイラーの交流から生まれた作品。
一般評では、聴けば聴くほど、知れば知るほど、奥の深いアルバムとされてる。
時が過ぎても、まったく陳腐化しないのは、まさに本物。
後から出てくる、マッコイ・タイナー、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ステヴィーブ・キューンほか多くのピアニストに多大な影響を与えた。
冒頭の曲は、セロニアス・モンクの 「Bemsha Swing」 で始まっていく。
5曲目はコール・ポーター作曲の 「You'd Be So Nice to Come Home To (邦題 : 帰ってくれたらうれしいわ)」 セシル・テイラーの渾身のソロ。
セシル・テイラーこの録音時、若干26歳、何と成熟した演奏だろう。
録音から何十年も経っているが、ますます輝き出し、毎回新鮮さが増す恐ろしいアルバム。
(青木高見)





Cecil Taylor / Looking Ahead! Cecil Taylor / Looking Ahead!

Recorded : June 9, 1958

Personnel :
Cecil Taylor (p)
Earl Griffith (vibes)
Buell Neidlinger (b)
Denis Charles (ds)

Song name :
01. Luyah! The Glorious Step
02. African Violets
03. Of What
04. Wallering
05. Toll
06. Excursion on a Wobbly Rail

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1958年6月9日の録音、コンテンポラリー・レーベルからのリリース。
共演者は、ヴィブラフォンがアール・グリフィス、ベースがビュエル・ネイドリンガー、ドラムがデニス・チャールズ。
ベースのビュエル・ネイドリンガーとドラムのデニス・チャールズは、セシル・テイラーのファースト・アルバム 「Cecil Taylor / Jazz Advance」 と同じ。
演奏は、ピアノトリオにヴィブラフォンが加わった事で、また一つ違うセシル・テイラーが楽しめる。
極端なフリーさは無く聴きやすい。
聴いているうち、だんだん気持ち良くる。
この感覚はセシル・テイラーのアルバムに共通していえる事だが、いったい何が作用しているのだろう。
個人的な話になるが、セシル・テイラーを知ったのは植草甚一先生の 「ジャズ・エッセイ」 を読んだ時からだ。
先生は、特にセシル・テイラーに関する引用が多く、これは真剣に聴かなければと思っていた。
そう言えば、先生の本も、発刊から、もう随分、時が経ってしまった。
世の中は、どんどん変貌していく昨今。
このアルバムを聴けば一瞬にして先生の時間に戻る事ができる。
珈琲を飲みながら、セシル・テイラーを聴きながら、先生の文書を読み直してみる。
温厚な先生の文書は実に平和で素晴らしい。
最近のニュースは、簡単に人を殺(あや)めるものが多い。
あの頃に比べると、むしろ世の中は殺伐として退化している様に思う。
(青木高見)





Cecil Taylor / Love For Sale Cecil Taylor / Love For Sale

(注) このアルバムはセシル・テイラーのリーダーアルバム扱いとしています。
作詞・作曲者がコール・ポーターのため 「 Cole Porter 」 でも同じ内容を掲載しています。  →

Recorded : April 15, 1959

Personnel :
Cecil Taylor (p)
Cole Porter (comp, lyrics)
Ted Curson (tp) #04-#06
Bill Barron (ts) #04-#06
Buell Neidlinger (b)
Denis Charles (ds)

Song name :
01. Get Out of Town
02. I Love Paris
03. Love for Sale
04. Little Lees
05. Matie's Trophies
06. Carol / Three Points

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1959年4月15日の録音、コール・ポーター集、 「ジャズ名盤ベスト・アンド・モア999シリーズ第5期 / (株)EMIミュージック・ジャパン」 より国内初のCD。
共演者は、ベースがビュエル・ネイドリンガー、ドラムがデニス・チャールズのレギュラーメンバー。
演目の 「Little Lees」 「Matie's Trophies」 「Carol / Three Points」 にテナーサックスのビル・バロンとトランペットのテッド・カーソン。
演奏は躍動感と緊張感に富み、即興性を極限まで追求したフリースタイル。
知らないで聴いていたら、この曲がコール・ポーターの曲だとは想像しにくい。
また、共演者でトランペットのテッド・カーソンが神妙にセシル・テイラーに従っていて圧巻といえる。
ちなみに、テナーサックスのビル・バロンは、テッド・カーソンのリーダー作 「Ted Curson / Plenty of Horn (Rec:4/1961)」 に参加している。
ビル・バロンの弟はあの有名なジャズ・ピアニストのケニー・バロンだから、恐れ入る。
(青木高見)





Cecil Taylor / The World Of Cecil Taylor Cecil Taylor / The World Of Cecil Taylor

Recorded : October 12-13, 1960

Personnel :
Cecil Taylor (p)
Archie Shepp (ts) #01, #05
Buell Neidlinger (b)
Denis Charles (ds)

Song name :
01. Air (Take 28)
02. This Nearly Was Mine (Take 1)
03. Port of Call (Take 2)
04. E.B. (Take 2)
05. Lazy Afternoon

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1960年10月12日と13日の録音、キャンディッド・レーベルのオリジナル・マスターを24ビット・トランスファーして発売、邦題 「セシル・テイラーの世界」。
共演者は、テナーサックスがアーチー・シェップ、ベースがビュエル・ネイドリンガー、ドラムがデニス・チャールズ。
アーチー・シェップ以外、レギュラー化したメンバー。
このアルバムの目玉は、いくつもある。
まず、キャンディド本社に保管されていた音源である事。
それを、ダイレクトに24ビットのリ・マスター化したので音がいい。
そして、特にライナーで、変な評論より、凄く楽しい。
世界的に著名なジャズ評論家のナット・ヘントフの 「評論家の視点とミュージシャンの視点」 の冒頭コメント。
以下、評論家の視点が 「The Jazz Review共同編集者のマーチン・ウィリアムス」 のコメント。
「ミュージシャンの視点」としては、セシル・テイラーのトリオ・ベーシストのビュエル・ナイドリンガーのコメント。
実際に、このアルバムにも参加しているミュージシャンから見たセシル・テイラーは大変貴重。
「セシル・テイラーに驚かされるのは、ハーモニックとリズミックの複雑性を持ってしても、音楽が透明であること、自分を自由に出来るという事を感じる」。
そして、最後にテナーサックスがアーチー・シェップが2曲だけだが参加している事。 理解しあっている者同士の絆が、演奏になり真実を雄弁に物語る。
(青木高見)





Cecil Taylor / The Jazz Composer's Orchestra Cecil Taylor / The Jazz Composer's Orchestra

Recorded : 1968

Personnel :
Cecil Taylor (p, liner notes)
Michael Mantler (cond, prod, coordination, project-coordinator)
Carla Bley (p)
Larry Coryell (g)
Don Cherry (cornet, tp)
Steve Marcus (ss)
Al Gibbons (ss)
Steve Lacy (ss)
Bob Donovan (as)
Gene Hull (as)
Frank Wess (as)
Jimmy Lyons (as)
Gato Barbieri (ts)
Lew Tabackin (ts)
George Barrow (ts)
Pharoah Sanders (ts)
Charles Davis (bs)
Jimmy Knepper (tb)
Roswell Rudd (tb)
Jack Jeffers (btb)
Julius Watkins (frh)
Bob Northern (frh)
Randy Brecker (flh)
Stephen Furtado (flh)
Lloyd Michels (flh)
Howard Johnson (tuba)
Ron Carter (b)
Richard Davis (b)
Eddie Gomez (b)
Steve Swallow (b)
Reggie Johnson (b)
Alan Silva (b)
Kent Carter (b)
Bob Cunningham (b)
Charlie Haden (b)
Reggie Workman (b)
Andrew Cyrille (ds)
Beaver Harris (ds)

Song name :
01. Communications #8
02. Communications #9
03. Communications #10
04. Preview
05. Communications #11 (part 1)
06. Communications #11 (part 2)

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1968年の録音、プロデューサーと指揮にマイケル・マントラーを迎え、一大スケールの前衛ジャズを制作した。
共演者は、入れ替わり立ち代わり総勢40名余り、いぶし銀のリーダー格のミュージシャンが参加している。
フリー・ジャズ史に於いても、これほど盛大に豪華ミュージシャンを集めた高水準の演奏は特記すべき内容。
個人の話になるが、元々このアルバムはLPで所持していた。
ジャケットは、折り紙の銀色の様な、キラキラと輝く美しいものだった。
ジャズ評で 「これはフリーの登竜門」 という記事があり実際に購入した。
帰宅して、さっそく聴いてみると、気分が落ち着かなくなり、イライラして、途中で聴くのを止めてしまった。
それ程、音は凄まじく、はじめて聴く怒涛のフリーに、耳がついていけなかった記憶がある。
CD時代になり、このLPをCDに買い替えた。
CDのジャケットは、LPに比べると、艶消しの灰色で実にショボくなってしまった。
思えば、あの頃から、けっこう長い間、ジャズを聴いてきた。
最近、このアルバムのコメントを書くにあたり、改めて聴くと、すんなり最後まで聴けた。
セシル・テイラーの音に対する飽くなき探求心と、渾身のピアノの音が凄いと感じる。
アルバムの音は変化しないので、たぶん自分が変化したのだろう。
ここで改めて、ジャズ評で 「これはフリーの登竜門」 の意味が解った様な気がした。
(青木高見)





Cecil Taylor / Solo (MTCJ-2532) Cecil Taylor / Solo (MTCJ-2532)

Recorded : May 29, 1973

Personnel :
Cecil Taylor (p)

Song name :
01. Choral of Voice (Elesion)
02. Lono
03. Asapk in Ame
04. 1/2 Of First Layer ・ 2nd 1/2 Of First Layer

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1973年5月29日イイノ・ホールでの録音、レコーディング・ディレクターは菅野沖彦氏。。
よく混同されるが厚生年金会館大ホールのライブではない。
セシル・テイラーのアルバム中、数少ないソロアルバム。
当時の日本の高級機材で収録されていて、音が澄んでいる。
セシル・テイラーは同年(1973年)に初来日をして各地でコンサートを行っている。
東京は5月22日新宿・厚生年金会館大ホール。
観客の一人にジャズ・ピアニストの山下洋輔氏がいて、演奏に感化されたエピソードは有名。
その事から、国内フリー・ジャズの幕開けと言っても過言ではない。
また、1973年の国内の音楽事情は凄まじかった事もここに記す。
その動向は、1973年だけに限ったものではなく、すでに60年代後半から胎動があった。
コメントが長くなるので1973年だけに絞りこむことにする。
まず国内では。
三人娘の活躍をはじめとするアイドル歌手全盛時代が到来。
花の中三トリオの桜田淳子と山口百恵、浅田美代子、あべ静江、フィンガー5、キャンディーズなどが相次いでデビュー。
郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の男性の新御三家も出現。
シングルの売り上げでは、宮史郎とぴんからトリオ、天地真理、GARO、郷ひろみ、チェリッシュ、アグネス・チャン、小柳ルミ子、南沙織、沢田研二、西城秀樹と続く。
日本レコード大賞(第15回)は、大賞:夜空/五木ひろし、最優秀歌唱賞:恋文/由紀さおり、最優秀新人賞:わたしの青い鳥/桜田淳子。
すさまじかったのは外人勢の音楽の来襲でロックが顕著といえる。
73年に来日したロック・ミュージシャンは次の通り。
1月:ジェームス・テイラー、2月:リンディスファーン、3月:ドノバン、イエス、ユーライア・ヒープ、4月:シカゴ、デビッド・ボウイ、5月:ハンブル・パイ、ベック・ボガード・アンド・アピス、テン・イヤーズ・アフターとアルバート・ハモンド、6月:ディープ・パープル、サンタナ、8月:ニッティ・グリッティ・ダート・バンド、9月:マハヴィシュヌ・オーケストラ、10月:T.レックス、11月:レオン・ラッセル、スリー・ドッグ・ナイトとホント驚ろかされる。
話をジャズに戻そう、この時期、ジャズ史の軸となるマイルスはファンク色の強いリズム・スタイルへと変化した。
前年(1972年)にリリースされた「オン・ザ・コーナー」が話題となったばかりである。
来日も凄く、1月のビル・エヴァンスをかわきりに、テディ・ウィルソン、ジョン・マクラフリン、カーメン・マクレエほか、ガトー・バルビエリまでもが来た。
その前後の年も凄まじく多くのミュージシャンがやってきた。
特記すべきは、日本が過去に類を見ない音楽の洪水の渦中になる。
特にジャズファンもセシル・テイラーを真剣に聴き、しかも洗脳までされてしまった。
偉いのは老若男女問わず一人一人が、ちゃんと自分のジャンルを決めて、それぞれのミュージシャンを受け入れ、真剣に聴いた事と言える。
真面目というか、太平洋の片隅のジパングへ行けば、ひと財産できたのも大きな要因だったかもしれない。
さて今、改めてこのCDを聴いてみよう。
セシル・テイラーの孤高の芸術性と訴えかけがハンパでない事がわかる。
これは長い年月をかけてジャズを聴いてきた成果ともいえる。
しかし、同時に歳もとってしまった、諦めにも似た感情が交差する。
(青木高見)





Cecil Taylor / In Florescence Cecil Taylor / In Florescence

Recorded : June 8, 1989

Personnel :
Cecil Taylor (p)
William Parker (b) #01-#03, #05-#07, #09, #11-#12, #14
Gregg Bendian (ds, per) #01-#03, #05-#07, #09, #11-#14

Song name :
01. J.
02. Pethro Visiting The Abyss
03. Saita
04. For Steve McCall
05. In Florescence
06. Ell Moving Track
07. Sirenes 1/3
08. Anast In Crisis Mouthful Of Fresh Cut Flowers
09. Charles And Thee
10. Entity
11. Leaf Taken Horn
12. Chal Chuiatlichue Goddess Of Green Flowing Waters
13. Morning Of Departure
14. Feng Shui

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : セシル・テイラー (Cecil Taylor 出生名 : Cecil Percival Taylor 1929年3月25日~) はアメリカ合衆国ニューヨーク州出身のジャズ、フリージャズのピアニスト、詩人。
アルバムはセシル・テイラー、1989年6月8日の録音、A&Mレーベルからのリリース、数少ないピアノ・トリオ。
共演者は、ベースがウィリアム・パーカー、パーカッションがグレッグ・ベンディアン。
演奏は、エネルギッシュで打楽器の様なピアノ、即興から湧き出る様な音の洪水、それらがやがて繋(つな)がりはじめ、全体を構成していく。
個人的に、セシル・テイラーは、聴いた瞬間は普段の日常性と、あまりにかけ離れた音に戸惑いを感じる。
しかし、聴き続けていると、無秩序が秩序と感じる時が、だんだん多くなり気持ち良くなってくる。
セシル・テイラーが他のフリー・ジャズ系のミュージシャンと一線を画す理由は、この清々しさにあるかもしれない。
それにしても、かっこいジャケットのポートレイト、本物はやはり違う。
(青木高見)




▲ページの上に戻る▲