青木高見のジャズコレクション Phineas Newborn, Jr. (p) フィニアス・ニューボーン・ジュニア


略歴
Phineas Newborn, jr. フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
精神障害とアルコール中毒で入退院を繰りかえすも奇跡的にカムバックをはたす。
活躍の重要な時期を、これで棒に振ってしまった。
天才的な超絶技巧を持つも、今一つ知名度が低いのはこの為。
いずれにしても、ピアノ・ジャズ史に於いては絶対に欠かせないミュージシャン。
(青木高見)



【INDEX (リーダーアルバム)】
Phineas Newborn, jr. / Here Is Phineas (30XD-1049) Phineas Newborn, jr. / We Three (VICJ-23515) Phineas Newborn, Jr. / A World Of Piano! (VDJ-1561) Phineas Newborn, Jr. / The Great Jazz Piano (UCCO-9347) Phineas Newborn, Jr. / Please Send Me Someone To Love (VDJ-1628) Phineas Newborn, Jr. / I've Something To Say (32JD-10148)

【INDEX (共演アルバム)】
Teddy Edwards Good Gravy


【以下コンテンツ】


Phineas Newborn, jr. / Here Is Phineas (30XD-1049) Phineas Newborn, jr. / Here Is Phineas (30XD-1049)

Recorded : May 3, 1956

Personnel :
Phineas Newborn Jr. (p)
Calvin Newborn (g)
Oscar Pettiford (b)
Kenny Clarke (ds)

Song name :
01. Barbados
02. All The Things You Are
03. The More I See You
04. Celia
05. Dahoud
06. Newport Blues
07. I'm Beginning To See The Light
08. Afternoon In Paris

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1956年5月3日の録音、デビュー作。
LPはアトランティック(Atlantic)1235番、8曲入り。
CDは発売元がワーナー・パイオニア・コーポレーション、(George Wein)氏による英語ライナーノーツ、青木和富氏による日本語解説、8曲入り。
メンバーは、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ギターが弟のカルヴィン・ニューボーン、ベースがオスカー・ペティフォード、ドラムがケニー・クラーク。
演奏は、両手を縦横無尽に使いこなす超絶技巧。
次々に紡ぎ出されるメロディーは実にスリリング。
演目はチャーリー・パーカー、バド・パウエル、クリフォード・ブラウンの曲にスタンダードとバラエティに富む。
個人的な感想だが、この演奏にピアニストにアート・テイタムやオスカー・ピーターソンがいる。
全員、有り余る技巧の持ち主のため隙間なく音が敷き詰められ、つい音数が多くなる。
同じピアニストでもアーマッド・ジャマルの様な無音部分の美学とは対極をなす。
聴く目的が安らぎや癒しにと思って聴くと、かなり、しんどい。
今一つ、好き嫌いの別れる理由も、そこらへんに、ある。
また、ここらへんを制御するのが、プロディユーサーの腕。
いずれにしてもジャズ・ピアノ史に於いては絶対に外せないピアニスト。
(青木高見)





Phineas Newborn, jr. / We Three (VICJ-23515) Phineas Newborn, jr. / We Three (VICJ-23515)

アルバムは 「フィニアス・ニューボーン・ジュニア」 のリーダーアルバム扱いとしています。  →
「Roy Haynes」 でも同じ内容を掲載しています。  →

Recorded : November 14, 1958

Personnel :
Phineas Newborn, jr. (p)
Roy Haynes (ds)
Paul Chambers (b)

Song name :
01. Reflection
02. Sugar Ray
03. Solitaire
04. After Hours
05. Sneakin' Around
06. Our Delight

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント :  フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
ロイ・へインズ (Roy Haynes 1926年3月13日~) はアメリカ合衆国マサチューセッツ州生まれのジャズ・ドラマー。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1958年11月14日の録音。
LPはニュージャズ(New Jazz)NJLP8210番、6曲入り。
CDは発売元がビクター音楽産業株式会社、アイラ・ギトラー(Ira Gitler)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、悠雅彦氏による日本語解説、6曲入り。
メンバーは、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ベースがポール・チェンバース、ドラムがロイ・へインズ。
この時期、フィニアス・ニューボーン・ジュニアはポスト、アート・テイタムと評されていた。
当時のアメリカではフィニアス・ニューボーン・ジュニアもロイ・へインズも長い間、過小評価されていた。
世間の評価などとは、実に、あてにならない、アメリカ人の耳を疑いたくなる。
ここではフィニアス・ニューボーン・ジュニア以上に、ドラムがロイ・へインズがいい仕事をしている。
ドラムが良いと、こんなにも張りと艶のあるピアノ・トリオになる好例。
ジャズ喫茶が流行ったころ、このアルバムは1日粘れば必ず1回はリクエストがあった。
ジャケットのポートレートは仲良く並んだ3人。
左からロイ・へインズ、中央がフィニアス・ニューボーン・ジュニア、右がポール・チェンバース。
みんな若い、その後、世界的に有名ミュージシャンになっていく事を、この時は、まだ知らない。
(青木高見)





Phineas Newborn, Jr. / A World Of Piano! (VDJ-1561) Phineas Newborn, Jr. / A World Of Piano! (VDJ-1561)

Song number, Recorded :
#01-04 Rec:October 16, 1961
#05-08 November 21, 1961

Personnel :
Phineas Newborn Jr. (p)
Paul Chambers (b) #01-04
Sam Jones (b) #05-08
Philly Joe Jones (ds) #01-04
Louis Hayes (ds) #05-08

Song name :
01. Cheryl
02. Manteca
03. Lush Life
04. Daahoud
05. Oleo
06. Juicy Lucy
07. For Carl
08. Cabu

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1961年10月16日・11月21日の録音。
LPはコンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)S7600番、8曲入り。
CDは発売元がビクター音楽産業株式会社、英語ライナーノーツなし、小川正雄氏と大和明史による日本語解説、8曲入り。
メンバーは、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、。
1~4曲目、ベースのポール・チェンバース、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ。
5~8曲目、ベースのサム・ジョーンズ、ドラムのルイ・ヘイズ。
演奏は完璧なリズム隊に支えられ絶頂テクが炸裂。
1956年録音の 「Here Is Phineas」 のデビュー作から五年経過した分、ダイナミックさとモダンさが更に増す。
、 (青木高見)





Phineas Newborn, Jr. / The Great Jazz Piano (UCCO-9347) Phineas Newborn, Jr. / The Great Jazz Piano (UCCO-9347)

Recorded :
November 21, 1961
September 12, 1962

Personnel :
Phineas Newborn, Jr. (p)
Sam Jones (b) #01–04
Leroy Vinnegar (b) #05–08
Louis Hayes (ds) #01–04
Milt Turner (ds) #05–08

Song name :
01. Celia
02. This Here
03. Domingo
04. Prelude to a Kiss
05. Well, You Needn't
06. Theme for Basie
07. New Blues
08. Way Out West
09. Four

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1961年11月21日・1962年9月12日の録音。
LPはコンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)M3611番、9曲入り。
CDは制作がユニバーサル・クラシック&ジャズ、発売・販売元がユニバーサル・ミュージック株式会社、レスター・ケーニッヒ(Lester Koenig)氏による英語ライナーノーツ、FK氏によるライナーノーツの一部和訳、9曲入り。
メンバーは、。
共演者は。
1~5曲目、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ベースがリロイ・ヴィネガー、ドラムがミルト・ターナー。
6~9曲目、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ベースがサム・ジョーンズ、ドラムがルイ・ヘイズ。
演奏は2つのピアノ・トリオでジャズの巨人達の曲を聴ける。
酷評になってしまうが、聴いていると気分が何となく焦ってきて息が詰まりそうになる。
ここがフィニアス・ニューボーン・ジュニアの好き嫌いが分れるところかもしれない。
この点を本人はどう考えていたのだろう。
以下、演目の作曲者を明記した。
01. Celia / Bud Powell
02. This Here / Bobby Timmons
03. Domingo / Benny Golson
04. Prelude to a Kiss / Duke Ellington, Irving Gordon, Irving Mills
05. Well, You Needn't / Thelonious Monk
06. Theme for Basie / Phineas Newborn Jr.
07. New Blues / Phineas Newborn, Jr.
08. Way Out West / Sonny Rollins
09. Four / Miles Davis
(青木高見)





Phineas Newborn, Jr. / Please Send Me Someone To Love (VDJ-1628) Phineas Newborn, Jr. / Please Send Me Someone To Love (VDJ-1628)

Recorded : February 12 and 13, 1969

Personnel :
Phineas Newborn Jr. (p)
Ray Brown (b)
Elvin Jones (ds)

Song name :
01. Please Send Me Someone to Love
02. Rough Ridin'
03. Come Sunday
04. Brentwood Blues
05. He's a Real Gone Guy
06. Black Coffee
07. Little Niles
08. Stay on It

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1969年2月12日・13日の録音。 LPはコンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)S7622番、8曲入り。
CDは発売元がビクター音楽産業株式会社、英語ライナーノーツなし、加藤しげき氏と佐藤秀樹氏による日本語解説、8曲入り。
メンバーは、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ベースがレイ・ブラウン、ドラムがエルヴィン・ジョーンズ。
精神障害という持病により少し休養ののち収録に臨んだ。
プロディーサーのレスター・ケーニッヒが用意したのはレイ・ブラウンとエルヴィン・ジョーンズ。
3人は、ほとんど打ち合わせもなくアルバムを完成させてしまったという。
ここでは手数の多い弾きすぎ感はなく上質なモダン・ピアノを楽しめる。
(青木高見)





Phineas Newborn, Jr. / I've Something To Say (32JD-10148) Phineas Newborn, Jr. / I've Something To Say (32JD-10148)

Recorded : November 11-12, 1987

Personnel :
Phineas Newborn Jr. (p)
Jamil Nasser (b)
Tony Reedus (ds)

Song name :
01. Not Really The Blues
02. One For Horace
03. Bag's Groove
04. Embraceable You (Left Hand Only)
05. Jate
06. Satin doll
07. I've Something To Say
08. Twelfth Street Rag
09. Everything I Have Is Yours
10. Everything I Have Is Yours

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : フィニアス・ニューボーン・ジュニア (Phineas Newborn, jr. 1931年12月14日~1989年5月26日) はアメリカ合衆国テネシー州ホワイトビル生まれのジャズ・ピアニスト。
アルバムはフィニアス・ニューボーン・ジュニア、1987年11月11日・12日の録音、長い空白後の復帰作。
CDは発売元が日本フォノグラム株式会社、英語ライナーノーツなし、和田政幸氏によるアイラ・ギトラー(Ira Gitler)氏によるライナーノーツ和訳、10曲入り。
メンバーは、ピアノがフィニアス・ニューボーン・ジュニア、ベースがジャミル・ナサー、ドラムがトニー・リーダス。
フィニアス・ニューボーンは1970年頃からアルコール依存症により活動が停止しはじめる。
天才にしか体験しえない紙一重の苦悩は大変なもに違いない。
何としても復活を願っていた日本の児島紀芳氏とジェームス・ウィリアムス氏の肝いりで、このアルバムは完成した。
演奏は、かつての絶頂テクを聴いているので、それには及ばないが人間的な意味で感情移入できる。
副題の 「お帰り、フィニアス」 は、まさにタイトル通り 「I've Something To Say(お伝えしなければいけない事がある)」。
ヒトの営(いとな)みや、ヒトの性(さが)というものを改めて考えさせらる。
ジャケットのポートレートを見ながら聴いていると目頭が熱くなってきた。
(青木高見)




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