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青木高見のジャズコレクション Denny Zeitlin (p) デニー・ザイトリン


略歴
Denny Zeitlin デニー・ザイトリン(Denny Zeitlin 1938年4月10日~)はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれの精神医学の臨床教授、ジャズ・ピアニスト、作曲家。
(青木高見)



【INDEX (リーダーアルバム)】
Denny Zeitlin / Cathexis (SICP 4220) Denny Zeitlin / Live At The Trident (SICP 972) Denny Zeitlin / As Long As There's Music (TKCV-35039)

【以下コンテンツ】


Denny Zeitlin / Cathexis (SICP 4220) Denny Zeitlin / Cathexis (SICP 4220)

Recorded :
February 19, 1964
March 6, 1964

Personnel :
Denny Zeitlin (p)
Cecil McBee (b)
Freddie Waits (ds)

Song name :
01. Repeat
02. I-Thou
03. Stonehenge
04. Soon
05. Nica's Tempo
06. Cathexis
07. Round About Midnight ('Round Midnight)
08. Little Children
09. Blue Phoenix
10. Nica's Dream [cd only]
11. Requiem For Lili [cd only]

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : デニー・ザイトリン(Denny Zeitlin 1938年4月10日~)はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれの精神医学の臨床教授、ジャズ・ピアニスト、作曲家。
LPは1964年2月19日・3月6日の録音、コロムビア(Columbia)CL-2182番、9曲入り、ファースト・アルバム。
CDは発売元がソニー・ミュージック株式会社、ナット・ヘントフ(Nat Hentoff)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、原田和典氏による日本語解説、10~11曲目の2曲が追加され全11曲入り。
2014年に国内初のリマスターCD化、ソニー「Jazz Collection 1000」シリーズ第3弾の中の1枚。
メンバーはピアノがデニー・ザイトリン、ベースがセシル・マクビー、ドラムがフレディ・ウェイツ。
LP時代、このデニー・ザイトリンは中古で高い値段が付いた。
今回のCD化で安価に入手できる様になった。
アルバム・タイトルは「カセクシス(Cathexis)」で、フロイト用語、精神分析理論用語、精神力動学用語。
内容は「精神的エネルギー」というものが存在して、それが特定の活動・観念・物・人などに向けつづけられる事らしい。
言い換えれば、特定の人や物に対する好悪の感情が、いつまでも継続する事。
自分なりに、こう考えてみた。
今の自分が、このアルバム「デニー・ザイトリン」が好きになったとする。
これは精神的エネルギーが「デニー・ザイトリン」に注がれる事。
時が経ち、たまたま聴いた「ビル・エヴァンス」の方が好きになったとする。
すると「精神的エネルギーの総量は一定」、なので「デニー・ザイトリン」を好きになったエネルギーが「ビル・エヴァンス」へ移ったと考える。
要は、どれもこれも無尽蔵に好きになるという事ではなく「精神的エネルギーの総量は一定」という事らしい。
デニー・ザイトリン、さすが精神医学の臨床教授、すごいアルバム・タイトルを付けた。
普通はジャズと教授と「二束の草鞋(わらじ)」、どちらかが劣るのだが、デニー・ザイトリンの場合、両方が一流。
(青木高見)





Denny Zeitlin / Live At The Trident Denny Zeitlin / Live At The Trident (SICP 972)

Recorded : March 22-24, 1965

Personnel :
Denny Zeitlin (p)
Charlie Haden (b)
Jerry Granelli (ds)

Song name :
01. Introduction
02. St. Thomas
03. Carole's Waltz
04. Spur Of The Moment
05. Where Does It Lead
06. Lonely Women
07. My Shining Hour
08. Quiet Now
09. At Sixes And Sevens
10. What Is This Thing Called Love?

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : デニー・ザイトリン(Denny Zeitlin 1938年4月10日~)はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれの精神医学の臨床教授、ジャズ・ピアニスト、作曲家。
LPは1965年3月22日から24日の録音、コロムビア(Columbia)CS 9263番、9曲入り。
CDは発売元がソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル株式会社、ハーブ・ウォン(Herb Wong)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、児山紀芳氏による日本語解説、9曲入り、カリフォルニア州ソウサリトにある「トライデント」のライブ。
メンバーはピアノがデニー・ザイトリン、ベースがチャーリー・ヘイデン、ドラムがジェリー・グラネリ。
録音時のメンバーの年齢はデニー・ザイトリン26歳、チャーリー・ヘイデン27歳、ジェリー・グラネリ24歳。
一般的に仕事で二束の草鞋(わらじ)は、どちらか一方が劣る。
ところがデニー・ザイトリンはジャズと教授を両立させた。
医学の分野では1964年に精神病理学の医学博士号を取得、当アルバムはその翌年となる。
演奏は、ちょっと聴けは、ビル・エヴァンスに似ているだけで終ってしまう。
ところが演目のザイトリンの曲「クワイエット・ナウ」あたりから、あのビル・エヴァンスがカヴァーした曲といえば・・・どちらが師匠なのかわからなくなる。
音はバド・パウエル、レニー・トリスターノ、ジョージ・ラッセル、ビル・エヴァンス、ジョージ・シアリング、デイブ・ブルーベック、ポール・ブレイ、スティーブ・キューン、アンドリュー・ヒル、ハービー・ハンコック、キース・ジャレット、セシル・テイラーなど超一流のピアニストを精神医学的に解析した後、ジャズの一大要素である個性を注入したという。
そのピアニストを見ると、どちらかというと白人系、弱前衛、理論派が多いのに気付く。
(青木高見)





Denny Zeitlin / As Long As There's Music (TKCV-35039) Denny Zeitlin / As Long As There's Music (TKCV-35039)

Recorded : December 5, 1997

Personnel :
Denny Zeitlin (p)
Buster Williams (b)
Al Foster (ds)

Song name :
01. As Long As There's Music
02. They Can't Take That Away From Me
03. For Heaven's Sake
04. There And Back
05. I'm All Smiles
06. Cousin Mary
07. Triste
08. Canyon
09. I Fall In Love Too Easily
10. Man I Love (The)

※ コメントの無断引用・無断転載を禁じます。
メインコメント : デニー・ザイトリン(Denny Zeitlin 1938年4月10日~)はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれの精神医学の臨床教授、ジャズ・ピアニスト、作曲家。
LPは1997年12月5日の録音、ヴィーナス・レコード(Venus Records)TKJV-19067番、6曲入り、邦題「音楽がある限り」。
以下、LPの演目。
A1. As Long As There's Music
A2. Canyon
A3. There And Back
B1. They Can't Take That Away From me
B2. Cousin Mary
B3. I Fall In Love Too Easily
CDは発売元がヴィーナス・レコード株式会社、英語ライナーノーツなし、中条省平氏による日本語解説、3、5、7、10の4曲が追加され全10曲入り。
メンバーはピアノがデニー・ザイトリン、ベースがバスター・ウィリアムス、ドラムがアル・フォスター。
アルバム「Live At The Trident」のジャケットは厚い黒ぶちメガネ、濃い髭(ひげ)、神経質そうな目つき、精神医学の臨床教授、ザイトリンという薬のような名前でイメージだけだと偏屈そう。
ところが演奏は情熱的で孤高なピアノ、この落差。
凄いのは完全にデニー・ザイトリンの世界を持っている。
強烈な個性は頭脳で聴くピアノという事が明らかになる。
アルバム・ジャケットはユニークで、日本の雪、松、御所、神主、こんなジャケット見た事ない。
デューク・ジョーダンの「Duke Jordan / Flight To Denmark」。
オーネット・コールマンの「Ornette Coleman / At The Golden Circle Stockholm Vol.1」。
雪の日に聴くアルバムが1枚増えた。
あまり人に教えたくない。
隠匿性を感じる1枚。
(青木高見)




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