青木高見のジャズコレクション Roland Kirk (ts, stritch, manzello, flute, siren) ローランド・カーク


略歴
Roland Kirk ローランド・カーク(Roland Kirk 出生名:Ronald Theodore Kirk 1936年8月7日~1977年12月5日)はアメリカ合衆国オハイオ州コロンバス生まれ、全盲のジャズ・ミュージシャン。
演奏楽器はサクソフォン、フルート、トランペット、マンゼロ、ストリッチ、オーボエ、ピッコロ、イングリッシュホルン、リリコン、サイレン、ホイッスルなど。
奏法は超絶、驚異の即興演奏、特にサックスとマンゼロ・ストリッチの三本くわえ吹き、そのうえ鼻でフルートを鳴らしながらスキャット。
いつも思うが、アメリカ合衆国のジャズの裾野の広さと寛容さは想像を絶する。
この自由で奔放な土壌こそローランド・カークを生んだといえる。
アメリカ以外では出てこなかったかもしれない、これは凄い事。
(青木高見)



【INDEX (リーダーアルバム)】
Roland Kirk / We Free Kings (826 455-2) Roland Kirk / Domino (UCCU-5116) Roland Kirk / Volunteered Slavery (8122-71407-2)

【INDEX (共演アルバム)】



【以下コンテンツ】


Roland Kirk / We Free Kings (826 455-2) Roland Kirk / We Free Kings (826 455-2)

Recorded : August 16–17, 1961

Personnel :
Roland Kirk (ts, manzello, stritch, fl)
Hank Jones (p) #01-02, #06-08
Richard Wyands (p) #03-05, #09
Wendell Marshall (b) #01-#2, #06-08
Art Davis (b) #03-05, #09
Charlie Persip (ds)

Song name :
01. Three for the Festival
02. Moon Song
03. A Sack Full of Soul
04. The Haunted Melody
05. Blues for Alice
07. We Free Kings
08. You Did It, You Did It
09. Some Kind of Love
10. My Delight

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メインコメント : ローランド・カーク(Roland Kirk 出生名:Ronald Theodore Kirk 1936年8月7日~1977年12月5日)はアメリカ合衆国オハイオ州コロンバス生まれ、全盲のジャズ・ミュージシャン。
LPは1961年8月16日・17日の録音、発売元がマーキュリー(Mercury)MG20679番、9曲入り。
CDは発売元がエマーシー・マーキュリー(EmArcy Mercury)、輸入盤、マーティン・ウィリアムズ(Matin Williams)氏による英語ライナーノーツ、10曲入り。
メンバーはテナーサックス、マンゼロ、ストリッチ、フルートがローランド・カーク、ピアノがハンク・ジョーンズとリチャード・ワイアンズ、ベースがウェンデル・マーシャルとアート・デイヴィス、ドラムがチャーリー・パーシップ。
演奏はローランド・カークが吹くサックスの音色が美しいのに驚かされる。
どこをどうすれば、こういう音が出せるのだろう。
このアルバム以後、3管くわえ同時に吹くとか、サイレンを鳴らすとか、メイン・ストリーム・ジャズを更に進化させてしまった。
4曲目「The Haunted Melody」は意味なく胸が熱くなる。
(青木高見)





Roland Kirk / Domino (UCCU-5116) Roland Kirk / Domino (UCCU-5116)

Song number, Recorded :
#01-06 Rec:September 6, 1962
#07-14 Rec:April 17-18, 1962

Song number, Personnel :
[#01-06]
Roland Kirk (ts, stritch, manzello, flute, siren)
Andrew Hill (p, celeste)
Vernon Martin (b)
Henry Duncan (ds)

[#07-14]
Roland Kirk (ts, manzello, stritch, flute, siren)
Wynton Kelly (p)
Vernon Martin (b)
Roy Haynes (ds)

Song name :
01. Domino
02. Meeting On Termini's Corner
03. Time
04. Lament
05. A Stritch In Time
06. 3-In-1 Without The Oil
07. Get Out Of Town
08. Rolando
09. I Believe In You
10. E.D.
11. Where Monk and Mingus Live / Let's Call This
12. Domino (alternate take)
13. I didn't know what time it was
14. Someone to watch over me

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メインコメント : ローランド・カーク(Roland Kirk 出生名:Ronald Theodore Kirk 1936年8月7日~1977年12月5日)はアメリカ合衆国オハイオ州コロンバス生まれ、全盲のジャズ・ミュージシャン。
LPは1962年4月・9月の録音、発売元がマーキュリー(Mercury)SR60748番、10曲入り。
CDは発売元がユニバーサル・クラシック&ジャズ、販売元がユニバーサル・ミュージック株式会社、ビクター・エンターテインメント株式会社、英語ライナーノーツなし、土倉明氏と岡崎正通氏による日本語解説、11~14曲目の4曲が追加され全14曲入り。
メンバーは。
1~6曲目、テナーサックス、マンゼロ、ストリッチ、フルート、サイレンがローランド・カーク、ピアノがアンドリュー・ヒル、ベースがヴァーノン・マーチン、ドラムがヘンリー・ダンカン。
7~14曲目、テナーサックス、マンゼロ、ストリッチ、フルート、サイレンがローランド・カーク、ピアノがウイントン・ケリー、ベースがヴァーノン・マーチン、ドラムがロイ・ヘインズ。
ジャズを聴きはじめた頃、ローランド・カークの演奏写真を見て単にウケをねらったものだと思っていた。
テナーサックス、マンゼロ、ストリッチという楽器を三本一度に吹く。
更にフルートとリコーダーを鼻で吹きながらスキャットまでする。
大柄で黒いサングラス、帽子、髭(ひげ)、それは怪人を連想させた。
ジャズの要素のひとつに、演奏とは別に「精神の訴え」がある。
聴いていてローランド・カークは、その訴えかけが半端ない。
さすがにサイレンは笑ってしまうが、独自のジャズを創造したという点では稀なミュージシャンだった。
楽器はローランド・カークからしてみれば「魂から吹き出す肉声の延長」に過ぎないのだろう。
(青木高見)





Roland Kirk / Volunteered Slavery (8122-71407-2) Roland Kirk / Volunteered Slavery (8122-71407-2)

Recorded :
Recorded at the Newport Jazz Festival, Newport, Rhode Island, July 7, 1968 (tracks #06-10) and Regent Sound Studios, NYC, July 22 (tracks #02 and #04) and 23 (tracks #01, #03, and #05), 1969

Personnel :
Roland Kirk (ts, manzello, stritch, cl, fl, nose-flute, whistle, vo, stylophone)
Ron Burton (p)
Vernon Martin (b)
Charles Crosby (ds) #01
Charles McGhee (tp) #01, #05
Dick Griffin (tb) #01, #05
Sonny Brown (ds) #02-05
Jimmy Hopps (ds) #06-10
Joe Habad Texidor (tambourine)

Song name :
01. Volunteered Slavery
02. Spirits Up Above
03. My Cherie Amour
04. Search for the Reason Why
05. I Say a Little Prayer
06. Roland's Opening Remarks
07. One Ton
08. Ovation and Roland's Remarks
09. A Tribute to John Coltrane
   Lush Life
   Afro-Blue
   Bessie's Blues
10. Three for the Festival

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メインコメント : ローランド・カーク(Roland Kirk 出生名:Ronald Theodore Kirk 1936年8月7日~1977年12月5日)はアメリカ合衆国オハイオ州コロンバス生まれ、全盲のジャズ・ミュージシャン。
LPは1~5曲目が1969年7月22日・23日の録音でスタジオ・セッション、6~10曲目が1968年7月7日の録音でニューポート・ジャズ祭でのライブ、発売元がアトランティック(Atlantic)SD1534番、10曲入り、邦題「ローランド・カークの奴隷志願」
CDは発売元がアトランティック(Atlantic)、輸入盤、エド・ウイリアムズ(Ed Williams)氏による英語オリジナル・ライナーノーツ、10曲入り。
演奏は混沌の中に鋭く光る音、今後、こういうジャズ・ミュージシャンは出てくるのだろうか。
聴いてすぐ「諸刃の剣」という言葉を連想する。
「諸刃(もろは)の剣(つるぎ)」とは、両辺に刃のついた剣は相手を切ろうとして振り上げると自分も傷つける恐れのある事。
一方では非常に役に立つが他方では大きな害を与える危険もあるもののたとえ。
ひと昔前、日本で一時「グロテスク・ジャズ」と紹介された時期があった。
今から思えば随分失礼な話。
近年では形にとらわれない奔放なスタイルと認識され、広義のブラックミュージックの伝統に根ざした表情豊かな演奏とされている。
(青木高見)




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